ずいぶん前の話になりますが、まだ長女(現在は7歳)が小さかったころ、ペットショップに動物を見に連れて行ったことがありました。普段なかなかこういうところには来ませんので、長女はとってもうれしそうです。
そのペットショップには他に3組くらいの家族連れがいて、それぞれお目当ての犬を楽しげに見ていました。その中に長女はずんずん入っていって一匹の犬のケージの前で立ち止まりこう言いました。
「ねぇー。このちちわっていうワンちゃんすごくかわいいねー。」
その瞬間、長女のちょうど横に居た家族連れのお父さんが小さく「ブッ」という音を立てて長女から顔を背けたのを私は見逃しませんでした。
その肩は小さく小刻みに震えています。長女の無邪気な言い間違いが彼のこころの琴線にヒットしてしまったのでしょう。
私は何事もなかったかのように、
「そうだねー。チワワかわいいねー。」
などとすっとぼけながら、その場を後にしました。
長女の言い間違いもすごく面白かったのですが、そのお父さんの瞬間の反応が、とても良いものを見たような気がしてその日一日気分が晴れやかでした。
「そうだよねー。おもしろいよねー。」と思える日常のふっと笑える出来事っていいですね。
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